「冬の電気をあきらめない、壁面設置の挑戦。」

行方このたびは、外張り断熱工法に対応した壁面設置架台「D-WALL FronHas Neo(ディーウォール フロ ナス ネオ)」の開発、誠におめでとうございます。北海道のように厳しい気候条件の地域で、どのような課題を解決するためにこの工法を開発されたのでしょうか?

吉田様ありがとうございます。私たちがまず向き合ったのは、「雪が積もる地域では冬の発電をあきらめざるを得ない」という現実でした。屋根の上に太陽光パネルを設置しても、積雪で発電が止まってしまう――。そんな声を何度も耳にしてきました。そこで発想を転換し、雪が積もりにくい「壁面」に太陽光パネルを設置することで、冬でも安定した発 電ができる仕組みを目指したのが、D-WALL FronHas Neoの出発点です。

「壁面設置を、現場で使える技術に」

行方壁面設置はこれまで施工が難しいとされてきましたが、今回どのような技術的課題を乗り越えられたのでしょうか?

吉田様特に北海道では「外張り断熱工法」が多く採用されていますが、断熱材の厚みや構造上の制約から、これまで壁面への太陽光パネルの設置は困難でした。そこで私たちは、旭化成建材株式会社・株式会社シネジック・スワロー工業株式会社の協力を得て、通気胴縁を活用し、外張り断熱工法でも断熱材を貫通させることなく対応可能な壁面設置を実現させました。

「現場での施工は? 冬でも安心して使えるの?」

行方施工店としては、実施にあたっての注意点や、冬場の施工時に気をつけるべきことも気になります。

吉田様ご安心いただけるよう、施工面でも工夫を凝らしています。たとえば、太陽光パネルを取り付ける位置は、壁面内の通気胴縁にしっかり固定する設計になっており、強風や積雪にも耐えられる強度を確保しています。また、雨水の侵入を防ぐための防水処理(プライマー・コーキング)も徹底しており、北海道の厳しい気候に対応できる仕様です。さらに、部材も扱いやすさを重視した設計になっており、冬場の施工でも安全性と作業性の両立が可能です。

「実際の反響は?」

行方実際に導入された住宅会社様やエンドユーザー様の反応はいかがでしょうか?

吉田様住宅会社様からは「冬場でも提案できる新しい選択肢ができた」という声が多く寄せられています。また、「屋根に載せにくい物件でも導入しやすい」「建物と調和し景観性も損なわない」といった評価もいただいています。 エンドユーザー様からは、「雪が積もらない位置に設置されているので安心」「非常時の備えにもなる」といった実用性への評価が大きいですね。

「これからの展望 ― 蓄電池とのセット提案へ」

行方今後の展開として、どのような広がりを想定されていますか?

吉田様まず力を入れていきたいのが、蓄電池とのセット提案です。太陽光で発電した電気をそのままご家庭で使用し、蓄電池にためて災害時や夜間に使用する――そのような 「電気の自給自足」に関心が高まっており、私たちとしても積極的にご提案していきたいと考えています。また、屋根設置が難しい物件でも壁面設置という新たな選択肢を示すことで、今まで導入を見送っていたご 家庭にもアプローチできるようになります。既築住宅への展開はまだ検討段階ですが、今後の技術進化と ニーズを踏まえながら可能性を広げていきたいです。 さらに、日照条件や発電量がひと目でわかるシミュレーションツールの開発も進めており、より分かりやすく、納得感のあるご提案ができる体制を整えてまいります。

「最後に ―「現場の声」から生まれた工法」

行方最後に、この開発の中で特に印象に残った出来事やエピソードがあれば教えてください。

吉田様最も印象に残っているのは、ある北海道の現場で「これがまさに求めていた工法だ」と施工店様に言っていただいたことです。設計・施工・営業、すべてのチームが「雪国の課題を本気で解決したい」という思いで動き続けた結果、現場の ニーズと開発の方向性がぴたりと重なった瞬間でした。
D-WALL FronHas Neoは、まさに「現場の声」から生まれた製品です。今後も、現場で本当に求められる製品 や提案を皆さまと一緒につくっていければ幸いです。